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熟女 内田春菊 ファザーファッカー

普段テレビはあまり見ないのだが、先日ケーブルテレビの音楽番組を垂れ流そうとテレビをつけると、内田春菊が映った。

もう相当昔、スキャンダラスな調子で発表された小説「ファザーファッカー」の著者だ。
当時はうぶな小説読みだったので完全に自伝、私小説として読んだ。

タイトル通りの物語で、つまり、父に犯される。

「ちょっとつついてみる」

たしかこんな台詞を養父は吐く。

他に覚えている内容としては、処女喪失をポンと栓が抜ける、みたいな感覚描写していたことや、その相手が立派なモノをもっていたとか、産院の病室で植物になんとなく乳をかけたら枯れて自尊心が傷ついた、という描写。

基本的に性的で、エネルギー感があり、しかし、どこか強烈な受動性が魅力的な小説だったように思う。
受動性というのは、受け身というよりも、世界に開かれているというか、この世の不条理をまるのまま飲み込んでしまう器、という感じだろうか。

というか上記の記憶も果たしてファザーファッカーのものだったか自信がないが、それらはすべて女性作家の作品の記憶だ。
それは、桜井亜美の「イノセントワールド」だったかもしれないし、あるいは田口ランディの「コンセント」かもしれない。

壊れた、あるいは、形骸化した父性と、それに敏感に反応した女性性、というのは、ある時はファザーファッカーのような優れた作品として、あるときは、「援助交際」のような先鋭的な社会現象として発現する。

たぶん、ファザーファッカーも援助交際も同年代の産物だと思う。

あれから20年近くが経過しようとしている。

ファザーファッカーの著者は熟女となり、ファザーファックチルドレンたちは成人する頃かもしれない。

ファザーたちはどこで何をしているのか知らない。

援助交際女子高生たちは母となったのだろうか。

援助交際女子高生に相手にされなかった同級生男子は何をしているのだろうか。

そういえば、「イノセントワールド」のアミに「父」「はおらず(精子バンクによって生まれている)、「兄」は知的障害があり、そこには、売春と兄との関係がある。
そういえば、「コンセント」の「兄」は引きこもって死んでしまった。

「ファザーファッカー」(1993)
「イノセントワールド」(1996)
「コンセント」(2000)

だからといって、世代論に意味はない。

テレビは老いた内田春菊を映すだけだ。



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